バイデン米大統領は6日、第2次世界大戦のノルマンディー上陸作戦の決行日から80周年の式典に出席した。激戦地となった仏北西部で演説し、「米国、NATOなどはウクライナを強力に支持しており、撤退はしない。独裁者に屈服することは考えられない」と述べ、ナチス・ドイツの侵略とウクライナが対峙する脅威と重ね合わせ、結束を求めた。ゼレンスキー大統領は、「連合国軍は当時、欧州の自由を守った。そして、今、ウクライナが欧州の自由を守っている。真に団結をすれば勝利できる」と支援を呼びかけた。フランスを訪問中のバイデン米大統領は7日、ゼレンスキー大統領と会談し、新たに2億2500万ドル(約350億円)相当の追加支援を行うことを明らかにした。バイデン大統領は、「資金調達の面で何が通るのか、数週間わからなかったことをお詫びします」と述べ、「通さなければならない資金を含む法案の成立に苦労した」と、法案成立が遅れた経緯を釈明した。
米シンクタンク・戦争研究所は3日、ウクライナが越境攻撃を行い、ロシア西部のミサイル発射装置を破壊したと指摘した。米国から供与された高機動ロケット砲システム「ハイマース」が使われたとみられる。バイデン政権は5月30日、従来の方針を転換し、ウクライナに対して自国の供与兵器で国境付近のロシア領を攻撃することを許可する方針を示していた。米国が容認する領内攻撃の条件は、ウクライナが自国防衛を図るためと限定し、ハルキウ州方面のみとされている。さらに、高機動ロケット砲システム「ハイマース」での攻撃は許可したが、「ATACMS」での攻撃など、長距離攻撃を禁止している。バイデン大統領は、「ロシア国内約320キロに入るような攻撃を許可しているわけではない。モスクワやクレムリンへの攻撃は許可していない」と述べていた。これに対して、ゼレンスキー大統領は、「国境に兵器を設置し、撤去しないのは、西側諸国が兵器で狙うことができないことを、(ロシアが)知っているからだ」と述べ、「ATACMS」を使用したロシア領内攻撃の許可を求めている。プーチン大統領は5日、西側兵器を利用したウクライナによる領内攻撃に言及し、「ロシアの領土を攻撃し、問題を起こすために、紛争地帯にそうした武器を供給できると考える者がいるのなら、その国々の重要施設を攻撃できる地域に同等の武器を供給する権利が我々にもあるのではないか」と反発する姿勢を示し、西側諸国を強く威嚇した。欧米兵器の使用によるロシア領内攻撃を巡り、プーチン氏は5月28日、「エスカレートが続けば、深刻な事態を招きかねない。欧米兵器での攻撃は核戦争のリスクがある」と牽制していた。
★ゲスト:渡部悦和(元陸上自衛隊東部方面総監)、東野篤子(筑波大学教授)
★アンカー:杉田弘毅(ジャーナリスト/元共同通信論説委員長)
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