16日の“ソレってどうなの?”は「『プラチナNISA』メリット・デメリットは」をテーマにお伝えします。
現在、創設が検討されている高齢者向けのその名も「プラチナNISA」。
NISAは少額の投資で得られる利益を非課税にする制度です。
家計の資産形成を支援することを目的としています。
現在、口座数は2560万以上。
実に18歳以上の4人に1人が開設している計算となるわけです。
長期の積み立て投資を前提とした制度のため、利用者は若い世代が中心です。
そのため、高齢者にも使いやすい制度にするよう求める声が自民党や証券界から上がっていたんです。
16日午後、国民の投資を推奨してきた岸田前首相が会長を務める資産運用立国議員連盟の総会であいさつをしました。
岸田前首相:
若者や高齢者を含めた全世代を対象としたNISA、様々なテーマにみなさんの意見を踏まえて提言に盛り込むべく、たたき台をつくらせていただいた。
「プラチナNISA」をやってみたいと思うか街で聞いてみました。
80代:
もう年だからやらない。積み立てできないじゃない。やる必要もない、先が短いから80歳超えてんだから無理よ。
とはいえ、この「プラチナNISA」は若者中心のこれまでのものとは少し違います。
大きな違いは、投資信託の運用で得られた利益の一部を毎月支払う「毎月分配型」であることです。
どのようなシステムなのか詳しく見ていきます。
例えば、元本10万円でスタートしたとします。
運用が順調にいき利益が出た場合、利益分から分配金が支払われます。
運用が低迷した場合でも分配金は支払われますが、元本の一部が切り崩されることになります。
対象になる高齢者に話を聞いてみました。
70代:
聞いたことはあるが興味がない。この年になるとリスクは背負いたくない。(お金が)たくさん入ってくるのをそこまで期待してない。
60代:
「手数料がかかる」とネットに書いてあった。「結局手数料かかるのね」って、どこまでいいか分からない。説明を聞かないとなかなか手を出せない。
たとえ少額だったとしても「投資」という言葉を聞くと不安がある人もいます。
ファイナンシャルプランナーでもあるフジテレビの智田解説副委員長にメリット・デメリットを聞きました。
智田裕一解説副委員長:
運用を続けながら毎月こまめに決まった額を手にできるというのが最大の特徴でありメリット。デメリットは、トランプ関税で株価が落ち込んでいるときなど、値上がり益が出ずに元本を切り崩して(分配金が)支払われている場合もあり、長期的な資産形成にはつながりにくい。
では、政府が分配型のプラチナNISAをスタートさせる狙いはどこにあるのでしょうか。
智田解説副委員長:
年金に頼る高齢者の間で「決まった額の分配金を毎月の生活費に充てたい」というニーズが強い点が考慮された。また高齢者が持っている貯蓄を投資に回してもらい、貯蓄から投資への流れを一層促進しようという狙いも。
金融庁は分配型のNISAについて、2026年度の税制改正の要望に盛り込みたい考えです。
老後の生活を支える大切な資産。
メリットもデメリットもあることを理解して判断する必要がありそうです。
FNNプライムオンライン
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