中国のAI＝人工知能企業「DeepSeek（ディープシーク）」が開発したモデルを巡り27日、ウォール街に動揺が走りました。これまでAIへの期待から相場をリードしてきた大型ハイテク株・半導体株が急落し、一部では「AIバブル崩壊」を危ぶむ声も出ています。ディープシークはチャットGPTなどと同じく大規模言語モデルとそれを利用した対話型AIのアプリを開発していて、アメリカでは27日、アップルの「アップストア」で無料ダウンロード数1位となりました。会社はAIを用いた投資戦略で知られる中国の資産運用会社ハイフライヤーのトップが2023年に創立したとされています。ディープシークが注目され始めたのは去年12月に「V3」と呼ぶ大規模言語モデルを公開した時です。この「V3」はアメリカの競合他社と比べコストや開発期間を大幅に削減し、旧型の半導体を使いながらもオープンAIやメタの製品を上回る性能を発揮しました。先週には次世代の「R1」モデルも公開し、こちらもオープンAIの最新モデルの性能に匹敵したということです。ディープシークを巡っては先週からマイクロソフトのナデラCEOなどシリコンバレーの重鎮が新たなライバルとして懸念を表明する事態となっていて、今回の株価急落はこの不安が表面化したものとみられます。27日は半導体大手エヌビディアやブロードコムが2桁台の下落となったほか、グーグルの親会社アルファベットやAIによるエネルギー需要を見越して買われてきた電力会社ビストラなどの公益株も売られました。
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