■師走の年金支給日 特売スーパーのお目当ては?
都内のスーパーでは、年金支給日に合わせて値段が上がっているコメなどを特売しています。
年金受給者(77) 年金1カ月約8万円
「この間買ったばっかりなんだけど、やっぱり(普段)3800円ぐらい。安くなってるのかな?昔はだって2000円ぐらいでもう買えたもん」
「(Q.今いくらです?)きょう安いんじゃない?3500円ぐらい。消費税入れて」
出費はかさむものの、少しでも安いうちにとコメを購入しました。
年金受給者(77)年金1カ月約8万円
「何とか節約して無駄のないように…。来年用」
年金受給者(77)年金1カ月約7万円
「(Q.年金は月々いくらもらっている?)7万だな。(年金)7万では足らないですよ、正直言って」
特売日のチラシを見て買い物に来た、77歳の藤澤健一さんです。
藤澤さん
「大抵ね、ここに来たらこのカゴ2つはいっぱいになる」
糖尿病を患ってから、足が不自由になった藤澤さん。スーパーで買い物することが生きがいで運動の一環にもなっています。
藤澤さん
「柿を6個ぐらい買うかな」
最終的に柿8個とりんご1個を買い物カゴに入れると、足を引きずりながらゆっくり、次の売り場へいきます。
藤澤さん
「全然ない」
この日目当てだった、特売の1リットル100円のコーヒー牛乳がすでに売り切れ。藤澤さんは諦められず代わりのものを探します。
藤澤さん
「コーヒー牛乳がなかったら、何買おう?コーヒー牛乳みたいなのないかな…」
「(Q.カフェオレとかありますけどね)この大きいやつでも、いつも夏はここを出て(店の)入り口で一本飲んでしまう」
悩んだ末に手に取ったのは、買うはずだったコーヒー牛乳の半分のサイズで、値段は19円高い119円です。他にも3日前から食べたかったという刺し身や、糖尿病のため普段は控えているスイーツなど、プチ贅沢な商品をカゴに入れレジに向かいます。
今年最後の年金支給日には、7200円ほどの食材や商品を購入しました。
■電気代節約“家電なし”
足が不自由なため店に許可を得てスーパーのカートで荷物を運ぶ藤澤さん。直接自宅には帰らず、なぜか近所のおにぎり店へ向かいます。
藤澤さん
「(Q.ここでは何を?)柿を置いていかんと。柿とリンゴ」
「(Q.柿とリンゴをどうする?)ここ(お店)でむいてもらって、パックに入れてもらうのよ」
藤澤さんは2年ほど前からこの店に通っています。おにぎり店の店主は、藤澤さんが身寄りもなく、身体が不自由なことを知り手助けをしているといいます。
店主
「半分だけむいて、あと半分また明日かあさってか。それでいいの?」
藤澤さん
「大丈夫だ」
藤澤さんは、家賃月およそ5万円のアパートで生活。1カ月7万円ほどの年金では、家賃と光熱費を支払うのがギリギリで、現在は貯金を取り崩して生活をしています。
藤澤さん
「食べるものは本当に高くなってる」
「(Q.電気・ガスとか光熱費は?)やっぱり高くなっている」
寒さが厳しくなってきた今でも電気代節約のためエアコンはつけていません。
藤澤さん
「電気代ばっかり上がる。一回だけ、電気代だけで1万8000円くらい。これは電気ばっかりつけていられないなと思って」
さらに、壊れた家電も電気代節約のため、あえて修理せずそのままにしているといいます。
そんな節約生活のなかでも“年金支給日の贅沢”は欠かせません。取り出したのは糖尿病のため普段は控えているシュークリーム。1口、また1口と食べていると訪問客が。おにぎり店の店主がむいた果物を家まで届けてくれたのです。
藤澤さん
「はーい」
「どれ?ちょっと待ってよ」
「ありがとうね」
店主
「またあした来るね」
藤澤さん
「俺はあんたがいるから助かってるんだよ。あんたがいなかったら俺はもうこの辺りでのびてるから。栄養失調で」
店主
「またあした来るね」
藤澤さん
「ありがとね」
店主
「寒いから気を付けてね」
■年の瀬ならでは…孫へのお年玉やクリスマス
今年最後の年金。年の瀬ならではの使い方をする人もいます。
年金受給者(75) 夫婦で年金1カ月約14万円
「お年玉の前にはクリスマスもあるし」
「(Q.お孫さんの)(クリスマスに)5000円くらい。お年玉は1万円くらい」
年金受給者(78) 年金1カ月約14万円
「孫にはね、クリスマスとかお正月とか。大金じゃないから」
聞こえてきたのは、孫へのクリスマスプレゼントやお年玉などの出費です。
年金受給者(80) 夫婦で年金1カ月約20万円
「(あさって)15日にね、行きつけの店主催でボウリング大会がある」
女性の楽しみは、年金支給日と同様に2カ月に1回開催されるボーリング大会です。大会後には打ち上げも行われました。
年金受給者(80) 夫婦で年金1カ月約20万円
「疲れたー。でも楽しかった。みんなと会話しながら体を動かして楽しいひと時だと思います」
■「医療費を」90歳団地暮らし
一方、街行く高齢者からは切実な声が上がりました。
年金受給者(60代) 夫婦で年金1カ月約13万円
「これだけ物価が上がって、全部上がって、家賃とか食べ物とかって考えていくと、医者にもかからなきゃいけないから、さっさと死んじゃっていなくなった方がいいのかなと。極端に考えれば」
年金受給者(70代) 年金1カ月約3万5000円
「年金なんてもう食べられないですよ。食べていけない。無理ですよ。全然」
住民の5割以上が65歳を超える団地で暮らす高齢者を取材すると、年金生活に大きな不安を抱えていました。
鈴木ハナイさん(90) 年金1カ月約14万円
「貧乏はヤダ。だから生きていたくない。長生きしたくない」
そう話すのは、鈴木ハナイさん90歳。7年前に夫と死別し、1人で暮らしています。
鈴木さん
「(働いていた時は)住み込みだからお給料がすごく安かった」
58歳まで建設会社の社員寮で寮母として17年働いた鈴木さん。自…