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シリア・アサド政権崩壊 “独裁政権”終焉で世界に影響は?大統領は“後ろ盾”のロシアに亡命 今後のパワーバランスは?世界に与える影響は?須賀川記者解説【news23】|TBS NEWS DIG

アサド政権が崩壊した中東シリア。大統領は“後ろ盾”"となっていたロシアに亡命しましたが、政権崩壊は世界にどんな影響を及ぼすのでしょうか?

■「私たちはこれから国をつくるんだ」攻勢から12日でアサド政権崩壊

現地時間9日、午前8時のトルコ・シリア国境。人々はこの時を長く待ち望んでいました。

増尾聡 記者
「いま国境が開き、朝から列で待っていた人たちが検問所の方へ向かっていきます。長い間、難民として生活してきた人たちがあのように大きな荷物を持って国境を越えてシリアへと帰っていきます」

男性
「14年間待っていた。故郷に帰りたい。家を作りたい。シリアが繁栄し、良い未来が訪れるようにと願っている」

男性
「(政権が崩壊した)その瞬間の自分の気持ちは表現できない。信じられなかったんだ。シリアは自由だ。私たちはこれから国をつくるんだ」

“政権崩壊”翌日、首都ダマスカスは反体制派勢力に掌握された町ですが、人々の表情には笑顔が浮かんでいました。

男性
「この気持ちは言葉では言い表せない。これは夢のようで、まだ目覚めていない夢だ」

内戦が続いていたシリアで、事態が大きく動いたのは11月27日。反体制派勢力は拠点とする北西部の町イドリブから大規模な攻勢を開始。11月30日までに第2の都市アレッポを制圧すると、その後も首都ダマスカスに向けて要衝都市を次々に掌握していきました。

シリアの反体制派勢力
「ダマスカスは解放され、暴君バッシャール・アル・アサドは打倒された」

反体制派勢力が首都ダマスカスを陥落させたことで、13年続いた内戦に終止符が打たれたのです。攻勢を始めてからわずか12日目の出来事でした。

■アサド大統領ロシアに亡命 ロシア報道官“居場所は言えない”

市民
「シリア万歳!アサドを打倒した!もう敵はいない!」

夜の町では政権崩壊を祝う銃声が鳴り響き、アサド大統領の父親の銅像が破壊されました。さらに反体制派勢力は、一部の刑務所で囚人を解放したとも主張。陥落した大統領官邸では市民とみられる人々が入り込みました。

アサド大統領の行方について国営タス通信は、「アサド大統領と家族がモスクワに到着し、亡命が許可された」と報じました。

9日、ロシアのペスコフ大統領報道官は「プーチン大統領がアサド氏の亡命を許可した」と明らかにしました。アサド氏の居場所は言えないとし、プーチン大統領との会談の予定は現時点でないとしています。

またロシア外務省は声明で、アサド氏が“平和的な手段で権力移譲を実行するよう指示した”と明らかにしています。

シリア解放機構 ジャウラニ 指導者
「この勝利はイスラム共同体の新たな歴史の1ページとなる。この勝利はこの地域の新たな歴史だ」

ダマスカスのモスクに集まった民衆にこう訴えた「シリア解放機構」の指導者で、反体制派勢力を主導したジャウラニ氏。

市民からは・・・

市民
「この50年間、私たちは(自由に)話すことが出来ず、みんな極秘刑務所のような状況で暮らしていたんだ」

■アサド親子で半世紀 “独裁”が終焉

アサド政権が終焉を告げるまでシリアで何が起こっていたのでしょうか。

2000年、父親の後を継いで就任した次男のアサド大統領。親子2代にわたって半世紀以上、独裁政治を続けてきました。

2011年、中東で起きた民主化運動「アラブの春」。シリアでも反政府デモが相次ぎましたが、アサド政権は武力で弾圧し、反体制派勢力との内戦に突入しました。

ロシア軍の支援を受けたシリア軍は、市街地への空爆を繰り返し、子どもを含む一般の市民が犠牲に。さらに反体制側に対して大量破壊兵器の一つ「化学兵器」を使用した疑いも。

国外へ避難する人が相次ぐ中、2015年にシリアから脱出した船が転覆し、3歳の男の子の遺体がトルコの海岸に打ち上げられる悲劇が。

2017年にJNNの単独インタビューに応じたアサド大統領。

アサド大統領 
「我々は死傷者をなくすため、できる限りのことをした。市民のために叫んでいる人たち
は、シリアやロシアが一般市民を殺しているという証拠を一つでも出したか?」

シリア内戦をめぐっては、これまで30万人以上の民間人が死亡し、国外に非難した難民は約680万人にのぼっています。

アサド政権の崩壊を受け、アメリカのバイデン大統領は…

バイデン大統領
「アサド政権は何十万人もの罪のないシリア人を拷問し、殺害した。今回の政権崩壊は正義がもたらした結果だ」

今後、シリアはどうなるのか。

日本国際問題研究所 松本太 プラットフォーム本部長
「新政府がどういった構成で結成されるのか、まだ未知数。当面、人道状況の改善という意味では時間がかかるんじゃないのかなという印象」

■「安定が訪れる」トルコ国境には帰還急ぐシリア難民

小川彩佳キャスター:
内戦の最中には多くの難民が隣国トルコに逃れました。トルコ南部の国境から増尾記者に伝えてもらいます。多くの方がいますけれども、そちらに集まった難民の方からはどんな声が聞かれましたか。

増尾聡 記者:
シリア最大の北部の都市…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20241210-6207430)

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