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「安い、早い、うまい」が看板だという都内の立ち食いそば店は最近、苦渋の決断をしました。
一由そば 藤平健店長代理
「世界情勢の変化で仕入れがすごい上がっちゃってまして、8月1日におそばを20円あげさせてもらって」
このお店が使っているのは中国産のそばですが、ウクライナ侵攻でロシアからのそば粉の輸出がストップしたことなどから、取引相場が高騰。
“食の安全保障”、つまり食料の安定供給への不安が浮き彫りになっています。
こうした状況に、明治は100%国産牛乳のチーズを期間限定で販売。牛丼チェーンの吉野家も、4月から牛丼の米をアメリカ産とのブレンドをやめ国産米に切り替えるなど、“国産回帰”の動きが強くなっているのです。
立ち食いそば店「一由そば」でも、国産食材でそば以外の麺の開発を検討しているといいます。
一由そば 藤平健店長代理
「違う(国産の)穀物とか視野には入ってくるんで、厳しい状態の中でどうしていくかは、今後検討していくような流れですね」
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こうした中、農水省は5日、2021年度の食料自給率を発表しました。カロリーベースで38%と、前年度を1ポイント上回りましたが、依然として低い状態が続いています。
農水省の試算によると、1日に必要な1人分の摂取カロリーは2168キロカロリーで、これを国産の食材のみでまかなう場合、必要なカロリーを摂取しようとするには少ない農地で多く収穫できる「いも類」を中心に栽培することになり、いもばかりの食卓になるといいます。
一方、今の日本人の食生活に近い形の「米と小麦」を中心に農地を利用した場合、米やパンは食べられますが1日に必要なカロリーを摂取できません。
輸入に頼る日本の現状に農水省の担当者は、次のように話しています。
農水省食料安全保障室 宮長郁夫室長
「食料の安全保障をめぐる世界の情勢っていうものは、不安定な要素があって非常に厳しいものだと、国産の農作物っていうものを積極的に選択していただく、買い支えていただくっていうことが非常に重要になっているのではないかと」
日本での生産を促すには、食品を選ぶ私たちの消費行動も求められています。
(2022年8月5日放送「news every. 」より)
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